読了 吉田修一『ひなた』
兄とその妻、弟とその恋人、4人の視点で描かれる淡々とした日常。
それぞれみんな善人なんだろうけれど、少しばかり危ういバランスを感じてしまった。小説なのだから、誰かがそのバランスを壊してしまうのではないかと期待(?)していたが劇的な変化は訪れなかった。この後に訪れないとは限らないのだけれど、書かれていないものまで期待しても仕方ない。
日常なんて常にクライマックスがあって、エンディングが待っているわけでなく、淡々と流れていくもの。そこを読ませてしまうのが作家の腕なのでしょうね。
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