60代、日日是好日

読書、手仕事、庭いじり・・・やりたいことがたくさん

適塾 過去から未来を想う

娘親子を見送りがてら大阪に来ています。


前から行ってみたかった適塾に行ってきました。

蘭学者・医学者、そして教育者であった緒方洪庵が開いた蘭学塾が"適塾"


大阪市中央区はオフィス街。でも、この日は日曜日ということもあり、人通りは驚くほど少ない。


淀屋橋駅から程近いビルの谷間と言っても良い一角にありました、適塾。江戸時代の町屋の姿を今にとどめています。


一階は広々とした座敷と庭

台所 学びの場であり、生活の場であったのですね。


二階に上がる階段が垂直かと思えるほど! 受付で荷物はロッカーにある入れられた方が良いですよと言われたことに納得。


二階に塾生大部屋とヅーフ部屋

一人畳一畳が割り当てられ、そこで寝起きも勉学もしたという。

隣のヅーフ部屋というのは、当時極めて貴重だった蘭和辞書(オランダ商館長ヅーフが作成した)が置かれていた部屋で、塾生はこの部屋に詰めかけて奪い合って学習に使用したとあった。(部屋から持ち出すことは禁止されていたのだ)


ここから多くの人材が輩出したというのだから、幕末維新期の若者の向上心には頭が下がる気がする。


また、天然痘の予防のための種痘所を開設し種痘事業を西日本一円に広め、天然痘の蔓延を防ぐという偉大な事業も成し遂げている。さらには、コレラの予防にも尽力したという。


防疫とか新薬の開発とか、まさに現代に求められていることではないか!



展示物を見、資料を読み、適塾に足を運んで良かったと改めて思いました。人ってすごいな、捨てたものではないなと思えたのです。



過去が今を作り、今が未来を作る。

繋がっているんだ、なんて想いが浮かびました。