読了 宮本輝『朝の歓び』
それぞれに身勝手とも言える行動をとる登場人物たち。(まあ、聖人君子ばかりが出てきたのではドラマチックではありませんね。)
何度も率直になろうと思うのにやっぱり誤魔化してしまうところなど、なんだかモヤモヤしてしまいます。魅力的だとは思えないな。
その中で本当の明るさを放っているのが、イタリアのパオロとその両親。
彼らを描くことで、
『愛されてるんだっていう意識は人間を成長させていく』
『明るく振る舞えて、感謝する心を忘れない人間はきっと勝つ』
『いっとき地獄でのたうつような事態が生じても、その地獄の中で勝つ』
ということを伝えています。
これらの言葉を読むことができただけでも、読んだ甲斐があったといえそうです。
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