60代、日日是好日

読書、手仕事、庭いじり・・・やりたいことがたくさん

いちはつの花

いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす               正岡子規


今年も咲いたいちはつの花。庭の片隅に、毎年ひっそりと咲き、気づかないうちに終わっている。この花を見ると、子規の歌を思い出す。


正岡子規の歌に出会ったのは、中学生の頃、国語の教科書。10代の私には「死」は遠いものだったはずだけれど、病に伏せながら花を歌う子規のことは、強く印象に残っている。


薄い花びらに、惜春の思いと子規の命を重ねたのは、10代の感傷でもあった気がする。




子規の次の歌も印象に残っている。




くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる


瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり