60代、日日是好日

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読了「大事なものから捨てなさい」

図書館の新刊の棚で見つけて手に取りました。

「大事なものから」というところに惹かれました。


副題は、『メイコ流笑って死ぬための33のヒント』

著者は中村メイコさん87歳です。


中村メイコさんというと以前はよくテレビに出ていたけれど、最近は全然見ない気がする。それもそうで、87歳だものね。(でも、黒柳徹子さんという別格もいらっしゃいますね。)


2歳8ヶ月で芸能界デビューして、少女スターと持てはやされたそうです。当時、昭和の大スターと言われる方々から可愛がられ、その時エノケンさんからもらったキューピー人形を80歳まで"守り神"として大切に持ち続けていたという。

学校にもろくに通えず、友達もいない、でも周りからチヤホヤされる、そんな孤独な中で、キューピー人形を友としていたであろう幼い少女スターを思うと、なんだか切ないです。


その宝物と別れることにした決断が潔いのです。


「自分にとって大事なものでも、残された子どもには処分に困るような『宝物』から減らし始めた」つまり「最も捨てにくいものから捨てることにした」のだといいます。

住み替えで、持ち物を減らさざるを得なかったにしても、大事なものから手放すとはびっくりです。

その効果は絶大で、「キューピー人形を捨てられたんだからと思えば、たいていのものは躊躇せずに手放すことができた」と書いています。


「断捨離」ではなく「お別れ時」という言葉を使っているところも、人生の最期に向かう明るい覚悟が感じられます。


私は大事なものを手放すことはまだまだできないけれど、自分のことに重ねて考えさせられました。


中村メイコさん、魅力的な人ですね。