3冊読了〜軽いけれど、それなりに
《今回はネタバレがあります。》
1冊目、『護られなかった者たちへ』中山七里
社会派ミステリというのかな?社会保障の闇が描かれます。
生活保護受給申請をはねられ餓死した老人。復讐は正義とはいえないものの、考えさせられる点はありました。結末での意外な犯人というのも、まあそうだろうなと、ミステリとしては詰めが甘い気がしました。
2冊目、『Iの悲劇』米澤穂信
Iターンによって甦りを図ろうとする地方自治体にとっては皮肉な内容。
住みにくいから棄てられた町なのに、そこにIターンの住人を呼び込んでも、費用対効果の点からは大赤字。そこで画策して住人を追い出す(自主的に出て行ってもらう)ことにする市長とその腹心。何も知らずに、住民のために無駄汗を流す主人公の公務員。
これもまた、最後に種明かしがされるわけで、トリックは❓というところも多いけれど、筋立てとしては面白いかな。
3冊目、『その扉をたたく音』瀬尾まいこ
なんとも軽くて、あっという間に読めちゃいました。
中学生向けの課題図書なんですって!なるほど読みやすいわけだ。
問題は抱えていても基本良い人たちが登場して、ドロドロしたところがないままに明るい希望が見えてくる結末は、中学生でも満足しないのではないかしら⁉︎
飄々としてちょっと魅力的な渡辺くんという人物は、これ以前の2作品にも出ているのだとか。手を伸ばしたくはないな。
今回、ちょっと辛口批評めいてしまいました。偉そうにごめんなさい😓
決して悪い作品ではないし、読みやすいので、その点ではおススメです。
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