60代、日日是好日

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読了 宮本輝『骸骨ビルの庭』

今回は、結構早く読み終えました。



つまり"一気に読みたくなる面白さ"でした。


戦後の混乱期から高度成長に向かう大阪十三の"骸骨ビル"と呼ばれた建物で、二人の男性に育てられた戦争孤児や棄迷児数十人。時代は下り、そのビルの立ち退きの交渉に送られてきた男の日記形式で語られる過去と現在が描かれます。


戦争孤児や棄迷児というものが存在したということはドラマなどを通して知ってはいたものの、この小説を通して一人一人の姿が現実のものとして浮かんできました。やっぱり宮本輝さんの筆力はスゴイ❗️


"魂魄"という言葉も心に残りました。

精神を司るのが"魂"、肉体を司るのが"魄"。

子供たちの"魂魄"を見守り育む二人の人生の壮絶さと豊かさに、圧倒されました。

こんな生々しい人と人との触れ合いは、私の人生にあっただろうかと、我が身を振り返りもしました。


宮本輝、もう少し読みますよ。