一条ゆかり展へ行ってきました
一条ゆかり展へ行ってきました。
私のマンガ歴は小学校高学年の頃、「りぼん」から始まりました。
その頃の「りぼん」のスターが一条ゆかりだったのです。覚えているのは「雪のセレナーデ」「恋はおてやわらかに」「恋の1.2作戦」、そして「デザイナー」など。甘くロマンチックなものとコメディタッチなものとシリアスなものが混在しています。
今回略年譜を見ると、これらは彼女の初期の作品群なんですね。
子どもだった私は大人の事情など知る由もなく、ただ楽しく読んでいたのですが、どうやらご本人の中には葛藤があったようです。「りぼん」の読者の中には私のような小学生もいたから、大人の恋愛を描くのには制限がかかったのでしょう。今から50年も前のことですから。
描きたいものと求められるものが違うのは表現者としては苦しいでしょうね。でも、彼女は実力で地位を固め、描きたいものを描くようになります。そういう意味で「デザイナー」という作品は転換点になったようです。
中学生になった私の愛読マンガ雑誌は「マーガレット」に移り、徐々に一条ゆかり作品からは離れていきました。
今回の「一条ゆかり展」で彼女のその後の活動を知ることができました。
華やかな画風はさらに進化を遂げ、ストーリーも軽重自在、古びないのは素晴らしいです。
2010年ごろにマンガ表現からは身を引かれたようですが、今回の展覧会で再会し、懐かしさを感じると共に、一人の表現者の生き方を知ることができました。
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